兵庫医療大学は、偏差値37.5(河合塾調べ)で、偏差値的には全国底辺レベルに属します。2018年度の国試の結果は、新卒64.1%(131人中84人合格)、既卒45.1%(111人中50人)と、平均55%という結果になっています。全国平均は新卒85.5%、既卒43.1%なので、既卒は全国よりはややましですが、新卒が、ずいぶん低い状態です。(兵庫医療大学の情報開示(情報公開)は正直です。)
以前、アイファ名古屋校では、兵庫医療大学の方は、オンラインでの指導を受講されていました。今では大阪校がタートしましたので、個別の対面授業になり、通塾するようになりました。
2018年度の1→2年の留年数は10名ほど。ただし2→3年の留年数は40名ほどとなっています(150名中)。3→4年もある程度留年するため、結局6年間、留年せず進級できる人は半分くらいです。有機化学や天然薬用物を落単する方が多い印象です。やはり偏差値が37.5ということもあり、関西圏の薬学部の中では、かなり留年率は高い方です。
偏差値低い→倍率低く、前期・後期の入試に誰でも合格する(合格最低点低い)→(公募)推薦も多い→薬剤師国家試験の合格率悪い→進級基準(進級条件)が厳しく、その学年の全教科の単位を取得しないと、進級できません。大阪薬科大学は5教科まで持ち越し可能なので、その意味ではかなり難しいと思われます。そこに限界を感じ、自ら退学を選ぶ生徒さんも多い大学です。
入試の併願校としては、神戸薬科大学や神戸学院大学が近いので、そこらを受験して入る方は多いです(武庫川女子大学を併願される方も多いようです)。兵庫医療大学の雰囲気としては、総合大学ですが、看護学部や保健学部や薬学部しかないので、落ち着いた雰囲気です。(公募)推薦で入学される比率は、同志社女子大学と同じく高いです。
2019年度から、薬剤師国家試験が、完全相対評価に切り替わり、絶対評価(=足切りに引っかからず、全体で65%を得点できていれば合格)が、なくなりました。完全相対評価とは、分かりやすく言うと、上位から合格枠を決めて、合格させていくシステムです。つまり相対評価に切り替わってしまった以上、薬剤師合格ランキングは、ある程度、大学受験時の偏差値のランキングを同じになってしまう可能性が高いのです。偏差値のトップは70程度、最低は35。つまり偏差値70と35の受験生が同時に、共通の国試を受験。。。しかも国試の難易度は、通常トップレベルに合わせて作られています。。。プロレスのバトルロイヤルみたいなものです。ヘビー級もライト級も混在したレスラー同士が、同じ土俵で、戦うのです。しかも枠は決まっていて、その枠を取り合いする図式です。上位者から勝ち残るとすると、容易に弱いものが排除される状況が目に浮かびます。以前の国家試験の合格基準は、足切りにひっかかなければ、トータルの65%を得点すれば合格になったわけです。しかし今年からその65%がなくなり、高得点者から合格する図式になってしまったのです。
偏差値で、関西地区の私立薬学部にランキングつけてみましょう。兵庫医療が何番に来るかを確認してみましょう。
1.近畿大学55~60(大阪府)
2.立命館大学55~57.5(滋賀県)
3.京都薬科大学55(京都府)
4.大阪薬科大学52.5~55(大阪府)
5.同志社女子大学52.5(京都府)
6.神戸薬科大学50~57.5(兵庫県)
7.摂南大学47.5~50(大阪府)
8.神戸学院大学45(兵庫県)
9.武庫川女子大学42.5~46(兵庫県)
10.大阪大谷大学40(大阪府)
11兵庫医療大学37.5(兵庫県)
12.姫路獨協大学35(兵庫県)
兵庫医療大学は、12大学中11番目です。一つ下(ドベ)が姫路獨協大学というのが、国家試験合格を考えるとリスキーな感じがしますね。。。(兵庫県は相対的に、こうやってみると、レベルが京都や大阪に負けているのが、一目瞭然です。)こうして見ると、今後、兵庫医療大学がどうなっていくのか、なんとなくわかる気がしますね。ひたすら留年を増やすしか方法はないのです。つまり「低偏差値の大学は、完全相対評価に切り替わった以上、今後進級はひたすら厳しくなる」道しか残されていないのです。なにせ完全相対評価は、上から、合格枠つきで、順番に合格させていく選抜式なのですから。上位層に頑張られたら、平均点も上がってしまい、全体の65%を得点していても、不合格になるかもしれません。
兵庫医療大学の二年の定期試験に話を戻しましょう。
定期テストの科目としては、2年の有機化学Ⅰは、難易度はそれほど高くはなく、範囲も広くはないです。ただし試験評価に特徴があり、普通は本試験の点数でほとんどの評価が決まりますが、兵庫医療の場合、有機化学は毎週、小テストがあり、その点数が多くを占めるのです。毎週気が抜けない。。。これが兵庫医療2年の有機化学です。普通は定期テストで一回で決めることがほとんどですが、兵庫医療がこのようなシステムをとるのは、定期テスト一回だと、悲惨な点数になってしまうからだと推察されます。