推薦入学の方は、留年する可能性が高いとよく言われます。留年する理由には、他にもありますが、学力的な面が最も大きいと思われます。つまり必要とされている基礎学力が足りないために、入学後に大学の勉強についていけないのです。
推薦入学者が多く留年する最大の理由として、高校理科を履修しなくても、入学できてしまうという不都合な現実があります。
推薦の合格が12月頃に決まって、彼らは遊んでしまいます。そして4月に入学して、初めて事の深刻さを理解するのです。
国試は昨年から絶対評価から相対評価に切り替わり、難易度を高めています。それにつれて進級も厳しさを増しているのが現実です(進級は国試と違って、高校の定期テストのようなものだと思われては困ります。愛知学院(薬)は留年が特に多いことで知られていますが、その理由は、定期テストの内容が、国試レベルということがあります。大学1年の有機化学でも、国試レベルの問題が出題されていて、対策しないと絶対に落ちます)。
さて、高校理科を学習していないと、どんな弊害があるのでしょうか?一つのケースとして、化学を取り上げてみましょう。
なんと今の薬剤師国家試験には、高校化学の分野がしっかり出題されています。
高校化学は、大学入学後には、基本指導されません(大学で教えられるのは、大学化学です)。
推薦入学の方は、(ほとんど)高校化学を対策しないまま(あるいは表層的な知識しかない状態で)、薬学部に入学します。
しかし彼らも当然国試を受けるわけで、一般受験生が当然のように理解できる高校化学が分からないまま、難化する国試を受験する可能性が大きいのが分かると思います。
高校化学(以前の化学Ⅱという科目)で学ぶ内容、計算問題、それを発展させた内容が、薬剤師国家試験では、物理として出題されています。
しかし入学後に高校化学の復習は行われないので、当然この計算問題の範囲が苦手な人が、推薦入学者では大半で、「これは高校化学の内容だよ」と生徒に指摘しても、「高校の時に(しっかり)やらなかったから分かりません」という返事がほとんどです。これの恐ろしさが分かるでしょうか?ねぎをしょった鴨が、ぼったくりバーに知らずにのこのこ入っていくようなものですよね(笑)。今の国試の合格基準は、相対評価ですよ。1点でも得点が高い受験生が上にランキングされ、少ない枠を奪い合うのです。こんなに呑気でよいのでしょうか?1点でも高得点を取ろうと、上位層と競いあうのが今の国試のはずです。いったい何年国試浪人を繰り返すつもりでしょうか?
センター試験の化学の問題だけでも、しっかり解ける理解力があれば十分やっていけるので、難易度的には、本来難しくないはずです。
入学した後では、忙しくなってしまうので、入学前に一気に対策しておく必要があるでしょう。
この入学前に高校理科を対策しておくだけで、留年は未然に防げるようになります。
推薦で入学できるため、高校理科はほとんど対策せず、入学後にいきなり大学の理科を理解しなければならないという、無茶苦茶な状況に追い込まれるため、留年してしまうパターンが大半です。
推薦入試の方は、合格が決まったら、1~3月の間に、高校理科を復習すべきです。アイファでは1~3月に個別の理科3教科の復習を行います。詳しくはお問合せ下さい。