薬剤師の飽和は、東京、大阪あたりでは、以前よりも足りてきたという話を時々聞きますが、他の地域では、全く逆で不足していると聞きます。実際当予備校にお問合せ頂く薬局さんのお話しだと、国家試験の合格者の半分が、大学病院などに行ってしまい、他へは残り半分しか回らないとのことです。チェーン店でも不足しているのに、個人経営の薬局だと、大学にブースを出しても、学生さんが座ってくれないそうです。
飽和する話は、新設薬学部が、旧設の倍ぐらいの数できたころに、さかんに言われました。しかし6年になって2回目の国家試験から(2014)、急に合格率が下がり(平均60%)、世の中を驚かせたと同時に、やはり予想通り、国家試験で数を絞ってきたと思えたものです。翌年には約62%の合格率となり、完全絶対評価が、多くの方が足切りでひっかかり、薬局からクレームが来たからなのか、相対評価に向けて動きだしました。合格率も70%を超えて、緩和された感じがしていますが、問題の難化は進んでおり、今後は禁忌問題の導入が決まっており、完全相対評価に向けて、動いています。
国家試験を見ていて思うのは、国公立に有利な問題ではないか?ということです。臨床問題が増えています。国公立では研究を本分としているため、毎日臨床的な事例を目にしています。しかし私立では、その時間を、国家試験の勉強に使ってしまっているのです。より現場で思考する薬剤師が求められているのでしょう。
今後飽和していくのかどうかは、絶対的なことは言うことはできませんが、私は個人的に、そこまで飽和はしないのではないかと思います。理由は国家試験で人数を相対評価に移行することにより、コントロールできるようになっていることと、薬剤師には女性の方々が多いということです。実際、国公立の方で、製薬会社に勤務しながら、薬剤師免許を所有されている方も多くいるし、結婚されたり、出産した場合に、仕事を辞めてしまったり、休暇される方が多いのです。