有機化学は、薬学部の学生として、身につけておくべき知識でありながら、多くの学生が不得意にしている教科の一つです。
今回は、京都薬科大学の有機化学に関して分析してみました。
以下の二つに分類されます。
1. 単純に学習すべき項目が膨大であること。
反応機構の書き方(矢印の向きや種類、構造式の書き方など)から始まり、簡単な酸塩基の中和反応・付加・脱離反応、さらに各官能基や複素環の性質や反応、そしてその際に必要な試薬や温度などの条件など、一夜漬けでは身につけることが難しい量の暗記が必要になってきます。当然、以前学習した知識をもとに、話がどんどん進んでいきます。そのため、日々コツコツと着実に知識を積み重ねることが大切です。
2. さらに、知識を組み合わせる必要があるということ。
たとえどんなに複雑な構造を持つ化合物で、複雑な反応をしているように見えても、テストで問われる範囲内でならば、単純な反応の組み合わせであることが、ほとんどです。ここで必要になってくるのは、この化合物に、この試薬を反応させると、この官能基あるいは、この二重結合が反応して、このように変化するのではないだろうか?という知識に基づく思考力です。そのような思考力を身につけるには、ただ暗記するのではなく、理解することが必要です。
3年生くらいで、有機化学が分からなくなる方は、恐らく一番初期に学んだ基本的な有機化学の性質を理解していないために、全ての反応を個々に覚える羽目になり、またなぜそのような反応になるのかという理由も分からないため、ただ丸暗記となり、量が膨大で覚えきれなくなってしまう方が多い印象です。そのような方は、今のうちに有機化学の復習をしておくことを強くお勧めします。さもないと、CBT、卒業試験で落ちるパターンが濃厚です。
正しい知識を知った上で、何度も復習・問題演習を繰り返すことが、最も必要であると言えます。