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昨年から相対評価になり、薬剤師国家試験も、ついに席取りゲームに切り替わってしまいました。

このままいくと薬剤師の数が飽和するので、丸暗記で合格しようとする国試受験生を落とそうとする国側の考えが透けて見えるようです。

今回の国試の問題は、様々な見方が出来ると思いますが。難易度としては、難化したと感じられます。特に理論は、計算が多く、頭を使う問題が多く出題されていました。他にも科目横断型の知識なども多く出題されており、丸暗記型の受験生を落とす意図が見てとれます。

今の国試の問題から見てとれることは、「現場で応用力を発揮&対応力を示すことが出来る、所謂使える薬剤師が欲しい」ではないでしょうか?どちらかと言うと、国公立の方が優位では?という気もしますね。

学部は変わりますが、歯科医師国家試験では、2014年頃から、新卒・既卒を合わせた合格率が、それまでの70%代から60%代になり、ほぼ10%もダウンして今に至ります。ここ最近の合格率は、全国平均63%ほどです。今では、歯科医師国試の問題は100%応用問題で、相対評価に切り替わり、久しい状態です。合格率で言うと、既卒を2年以上繰り返すと、合格率ががくっと下がり、3年以上既卒になると、合格出来るのかと言われると、「?」という状況です。つまり2年以上既卒を繰り返すと、危険領域に入るということです。

薬剤師国家試験も、ある意味、それを追っているのかもしれません。薬剤師国家試験がどうなるかを予想するためにも、歯科医師国家試験の動向は注視する必要があるかもしれません。ただ歯学部と比べると、薬剤師国家試験は、「受験人数が非常に多いこと(歯科医師国試受験生の約4倍以上!)」&「上下の学力が大きい(トップの偏差値70、底辺の偏差値35!)」ことが気になりますね。歯学部の場合も、相対評価ですが、国試の受験人数が、薬学部の約4倍以下、偏差値も上も偏差値65ぐらい(もちろん国公立(東京医科歯科)から底辺は35ですが、大半の分布は、国公立でも大半55~52あたりに集中、私立に至っては3分の2が偏差値50以下!)という分布です。薬剤師国家試験の場合、学校ごとに最初の段階からレベルの違いが大きくついているだけでなく、医学部・歯学部のように、大学に入って学ぶ人体・歯科の内容ではなく、高校までに学んだ内容をもとに築き上げる理科系の知識なので、レベルの差はさらに大きくなっています。そこで合格人数を抑制するとなると、歯学部よりもインパクトが大きくなるのかもしれません。今後どうなるのでしょうか?

相対評価の難しい点は、上位者が中位&下位より頑張ってしまうと、合格者の枠を取られてしまうところにあります(上位者有利)。今までの、絶対評価65%合格であれば、上位者も頑張ると言っても、65%という数が決まっている以上、それ以上むやみに頑張っても、しょうがない状態でした。ある意味上位者は、少しなめて受験していたと言ってもいいかもしれません。しかし相対評価になり、65%がなくなくなってしまい、合格人数が最初から決まっている状態の中、得点の高い者から合格となるとどうでしょうか?もし上位校に今までの2倍頑張られてしまったら?その上位校は、受験生全員合格となるかもしれません。。。その分、他の大学は枠を取られて、合格者が激減するでしょう。自分がいくら頑張ったと言ってみたところで意味がないのです。

私がお勧めするのは、特に下位校においてですが、自分の所属する学年の上3分の1の順位にいつも入っているようにすることです。この順位であれば、確実にストレートで進級出来る可能性が高いでしょう。低学年から学習して、徐々に順位を上げていく。。。これが大事だと思います。

今後懸念されることは、留年してしまった場合、翌年は、落としてしまった科目のみを留年生は対策することになりますが、定期試験の過去問をただ入手したところで、それと全く同じ問題が出る保証は、ないかもしれません。なぜなら、国試がこうなってしまった以上、意識の高い大学ほど、定期試験の問題を作り変えるようになると思われるからです(再試も含めて)。実際、今でも、多くの大学では、定期試験の問題を作り変えるようになっています。今後はさらにそれが加速するのではないでしょうか?

話が変わりますが、私立の医学部大学受験では、20年以上前から受験生が増え、今では、一つの私立医学部の受験生は、だいたい3,000人受験するという信じられない状況になっています。その中で、いわゆる「多浪」も大量に出るようになりました。4浪以上が珍しくない状況になりましたが、私の知るところでは、6年ほど前に、今まで「多浪」を受け入れていた温情のある私立医大でさえ、「多浪」を受け入れない方針を打ち出しました。「多浪」が入学後に、留年を繰り返す傾向が分かってきたからです。

薬剤師国家試験でも、「多浪」しても合格出来ない方々が、今後量産されてしまうのではないでしょうか?そうならないことを祈ります。

そうならないためにも、低学年のうちから、基礎系科目の学力を積み上げましょう。それがベストの国試対策です。低学年の時期に学力の投資をすべきです。

国試既卒になってしまってから、いくら対策しても、一年で伸びる幅は知れています。。。しかも、一年で合格したいので、表層的な対策しか求めない方が非常に多いと思われます。。。今年もダメで来年→また来年と予備校を転々としていくのです。

ある意味、今最もリスキーな方は、今まで各学年ギリギリで上がり(留年もしながら)、上の学年になってしまった方々かもしれませんね。今6年ではたして卒試に自分は合格出来るのだろうか?と不安がっている方は、不安が的中する可能性大と思われます。その方は、合格者が取れるレベルにいないまま上の学年に来てしまったため、今何を対策していいのか、具体的に分かっていないのです。低学年から学力を積み上げてきた方は、上の学年になってもゆとりがあります。

完全相対評価に移行してから2年目ですが、難化傾向が見られます。今後の国試ではより実践的で深い知識が問われてきそうです。模試との難易度も大差が無くなってきました。

本年度の国家試験は完全相対評価に移行した2年目でした。新カリキュラム2年目なので、今回の試験は難易度的には、難化すると予想できました。

結果、予想通り昨年と比較した難易度で言うと、やや難化、例年と比較しても難しめの難易度であったと言えるでしょう。

完全相対評価ということもあり、現時点での合格ボーダーは不明ですが、昨年度と比較しても難易度差の大きな乖離は見られないので213〜217点辺りがボーダラインになるのではないかと予想しています。

また今年の特徴としては、科目の枠にとらわれない複数の科目の知識を複合的に使う問題が多く出題されました。また、グラフを読み取る問題や計算を要する問題が多く出題されていたため、単に暗記に頼った勉強では対応できず苦戦した学生も多かったように思います。

■必須
全体的な難易度は例年通りかやや難しいレベルでした。科目別では、物理に関してはpH計算や溶解度積といった高校の知識で解けるような問題が出題されました。計算は非常に平易なものでしたが、計算方法を覚えている学生とそうでない学生の間で大きな差が付く内容でした。また活量やイオン化法といったマイナーな内容が多く難しく感じた学生も多かったと思います。また病態に関しては、組み換え体医薬品や箱ひげ図といった対策を後回しにしてしまいがちな分野の問題が出題されたため、手が止まってしまう学生もいたかもしれません。化学、生物、衛生、薬理、病態、法規、実務に関しては過去問の演習が出来ていれば答えられるような問題も多く、例年通りの対策で十分に対応が可能な難易度だったと考えます。必須予想平均得点率は80%であり昨年(82%)と比較するとやや難化していますが例年(約80%)と比較すると同程度の難易度であったと思います。しかし大規模移行年度である第97回の88%と比較すると本年度は80%となっており難化傾向が見られます。

■理論
例年以上に難易度は高く、積極法で正解を導くのは相当広く深い知識が必要であったと思います。特に物理では図を用いた平衡問題と分配係数の問題が出題されましたが、正しい理解を必要とするため正答率が低くなることが予想されます。分析の範囲は全体の問題文の量は少なくなったので難易度はやや易化しましたが、定性反応とNMRは難しい内容でした。また生物では昨年同様実験問題が出題されており、与えられた問題文や図を正確に理解する必要があるので、緊張状態の試験中は難しいと感じる学生が多いと思われます。薬剤に関しては、2-コンパートメントモデルやwell-stirred modelといった薬物動態学の中でも対策がおろそかになりがちな範囲の問題が出題されたため、薬物動態学が苦手な学生にとってはかなり難しい内容だったように感じます。化学、生物、病態、法規、衛生、薬理に関しては例年通りの難易度だったと思いますが、深い理解を必要とする問題も多かってので、暗記一辺倒の学習では苦戦してしまうでしょう。理論予想平均得点率は55%であり昨年の59%や例年の約60%と比較するとやや難化したと思います。また大規模移行年度である第97回の74%と比較しても本年度の得点率55%は難化傾向が見られます。

■実践
実践問題の傾向は昨年度国家試験と同様に、実践的かつ深い知識を問う問題の連続でした。ただ1つの症例に関して問1の答えを用いて問2、3を解く問題は少なかったため、問1を間違えてしまうとそのあとの問題も間違えてしまう状況に直面することはあまり無かったと思います。逆に言えば問1の解答を手掛かりに問2の問題を解くと言ったテクニックは、今回の試験では使えなかったように思います。またパルスオキシメーターといった話題性の高い臨床分析技術や、新傾向からDPC制度の詳細に関する問題が出題され、模擬試験の復習をきちんとしていたかどうかもカギになりました。いずれにしても相当量の知識を有している必要があり、日々の勉強や病院等での実習での経験を通して知識を習得し、それらの知識を問題に応用して使いこなすトレーニングが必要です。実務予想平均得点率は65%であり昨年の66%と比較すると同程度かやや難化、例年の約65~70%と比較すると同程度の難易度であったと思います。しかし大規模移行年度である第97回の77%と比較すると本年度の得点率65%は難化傾向が見られます。

■まとめ

先述しましたが、昨年と比較するとやや難化、例年と比較しても難しめの難易度であり、第97回と比較すると大きく難化していると言えます。また、実践的な問題や新傾向の問題が増え、次年度は更なる難化が予想されます。本年度の傾向的にも昨年と同様に単なる暗記や教科書的知識だけでは通用しない問題が多々見受けられました。これは、臨床現場が即戦力となる薬剤師を求めている証拠です。よって、日々の教科書的学習をベースに、それらの知識をうまく繋ぎ合わせ解答を導き出すトレーニングが必要です。また、メラビアンの法則で視覚情報がコミュニケーションの55%を占めているといったように、病院や薬局の実習で実際に体験して、学んだ情報は定着しやすく実務系の問題を解答する上での大きな武器となります。ただ教科書的暗記の勉強法は基礎を作るために絶対不可欠なものなので、決して蔑ろにすることなく、それらの知識をベースとした更なる能力向上が必要であるということを忘れないで頂きたいと思います。知識不足の状態で応用問題に挑戦しても正解を導くことができませんし、充実した病院薬局実習を行うことは出来ません。このようにやはり薬剤師国家試験の勉強を始めるにあたっての最優先事項は知識の定着です。早期の知識定着を図り様々なタイプの応用問題に挑戦することで臨機応変に解答を導き出す力を伸ばすことができると思います。

実践問題の傾向は、昨年度国家試験と同様に、実践的かつ深い知識を問う問題でした。ただ1つの症例に関して問1の答えを用いて問2、3を解く問題は少なかったので、例年より得点を重ねやすかったように思います。またコロナウイルス関連の知識で、パルスオキシメーターが出題されたことも今年の試験の特徴だったように思います。日々の勉強や病院等での実習での経験を通して知識の習得、またそれらの知識を応用して実践的な問題に取り組んでいくことが必要です。実務予想平均得点率は65~75%であり、昨年と比較すると、難易度は変わらないように思います。

国試全体の難易度としては例年通りかやや難化だと予想しています。

必須&理論は、昨年と比較した難易度でいうと「かなり難化」。例年と比較しても、「難しめの難易度」であったと言えるでしょう。

必須の全体的な難易度は、例年通りか、やや難しいレヴェルでした。注目すべき点として物理に関しては、pH計算や活量計算、液体クロマトグラフィーのイオン化法が出題されました。病態に関しては、箱ひげ図といった受験生の穴をつくような出題が多かったと思います。その他には衛生と薬剤は、細かい知識を問う問題もありましたが、できる問題を確実に得点していけば、それほど大崩れすることはないように思われます。必須予想平均得点率は75~80%程度だと予測します。

理論は例年以上に難易度が高く、その中でも特にNMRの構造解析と薬剤分野はかなり難化しました。薬剤分野は2-コンパートメントやwell-stirred modelといった、あまり出題頻度の高くない計算問題が多く、カバーしきれていなかった受験生も多かったと思われます。また製剤分野でも与えられた式を用いて解答導く問題や、中々答えを絞りきれないような問題が、出題されていたのでこの分野では一辺倒の知識だけでは太刀打ちできなかったように思います。その他にも物理では電気浸透流、衛生では酸化と過酸化物価に関する深い理解を要求される問題、病態のカプランマイヤー法の計算など見慣れない問題が散見され苦戦した受験生も多いと思います。薬理や衛生、病態に関しては例年どおりの難易度だと予想されるので理論予想平均得点率は55%程度だと予測します。

本日は、試験初日ですが、お問合せのお電話をかなり頂きました。ご希望の方は、お電話にてお問合せ下さい。人数が定員に達し次第、締め切りとします。

再試対策のため、少し遅れましたが、前期募集のご案内をします。

ご希望の方は、お電話でお問合せ下さい。

体験授業→入塾するかご判断→入塾という流れになります。

対面、オンライン授業どちらも可能です。

※人数枠があります。一人の講師につき、生徒3人まで。キャパオーバーになったら、その段階で募集打ち切ります。

同一学年の留年限度年数が2年の場合、落とす科目数は、当たり前ですが、翌年パス出来るだけの数に抑えておく必要あります。さもないと放校の可能性があります。

留年限度年数は、数年にわたる者もあれば、同一学年の場合もあります。大学により異なるのですね。

現在、アイファでは、最終ラウンドの再試対策真っ最中ですが、このようなタイミングで入塾して取り組まれている方々は、よくそれを自覚されていると思います。

最悪なのは、何もしないで、初年度落としまくって留年してしまった場合。。。翌年パス出来ますか?と聞かれると、「とりあえずやってみる」とか考えている方が多いかもしれませんが、試験はなんとなくではなく、確実にご自身で確実にコントロール出来るものでないといけません。努力した結果、大量に落としてしまったのなら、まだ救いはあるのですが。。。

「前期に~教科落とした、後期に~教科落とした→合計~教科なので、これなら、自分でやりくり出来る」というようなものでないと、持ち越し科目ギリギリを狙っても、そこに届かず、放校の流れになってしまうでしょう。

薬学部は6年ありますが、勝負は3年までで、ほぼ決まります。最も重要なのは、1~3年の低学年。あとはそれの復習→応用に過ぎません。4年のCBTは低学年の基礎系科目を復習する最後のチャンスです。5年の実習も基礎系の知識を現場で確認することですし。。。私ならば、1~3年の時期にマンツーマンでプロ講師に指導してもらい、以後は自立して、一人でやるスタンスで進むと思います。

投資するにしても、タイミング&何に投資するかというところでしょうか。

もう再試も終わり、結果が出揃っている大学がある一方、これから再試の大学もあります。

現在、最終ラウンドの再試対策の実施真っ最中です。来週月曜日から再試のところが多いですが、進級基準を厳しくしている大学が多く、真剣に学習に取り組む必要があります。