京都薬科の定期試験の内容(有機化学)は、不必要に難しい。担当の教授によれば、「添付文書中には医薬品の化学構造式が記載されており、その構造式をみただけで薬品の性状を理解し、保存方法や薬品の併用可否の判断がすぐにできる必要がある。」とのこと。京都薬科で採用されている参考書であるソロモンで確認しても、記載がどこにも見当たらない。結局、ネットで調べたり、自主的に判断したりするしかない状態。(アイファの生徒指導では、生徒のノートの記載があったので、それで正答は判断した。)
それに比べて、大阪薬科の同系統の問題は、ソロモンから逸脱しない範囲でしか出題なし。つまり、自習でなんとかなる状態。正直、試験問題の過去問と参考書(+授業プリント)が揃っていれば、授業を聞かなくても充分な点数をとれると思われます。
それができないのが京都薬科の定期テストである。
試験問題の過去問、参考書、授業プリントが揃っていても、授業を聞いて必要な情報を得ていなければ解けない。さらに理解力がかなり必要とされる。丸暗記では解けないように工夫がなされている。(これは、過去問を生徒が得ている前提で教授が試験を作っているため。試験問題は公表されている。)
ここで京都薬科、大阪薬科、兵庫医療大学を比較してみることとする。
学校の偏差値の順で3校の大学を並べると、偏差値が高い順に京都薬科、大阪薬科、兵庫医療となり、大阪薬科を基準の100%とすると、京都薬科は200%、兵庫医療は80%といったところだろうか。同じ科目、同じ教授ではないので判断に難しいところだが、教える内容の深さからこう判断した。
兵庫医療では授業で解いた問題が試験にでる傾向が高いので、そこまで学習に困ることはない。(暗記で解けてしまう。)これが、兵庫医療の国家試験での合格率の低さに起因しているのかもしれないが、在学生を進級させようと思うと試験を簡単にせざるを得ない。(薬学部にも関わらず数学や化学を苦手とする学生が多いため。)
京都薬科大学は、偏差値的に高いが、進級は最も困難である。しかも京都薬科の学生の学力は二極化していて、上位層は問題ないが、低学力の生徒には進級は地獄としか言いようがない。大阪薬科大学は、定期テストで要求されるレヴェルは、標準レヴェルであるが、現在過激な進級基準の難化が起こっていて、お勧めできない。兵庫医療大学は、偏差値的には低いが、進級が容易であるが、国試の実績的にはこの三つの中で最も低い。
ここまで、定期試験の難易度について論じたが、これがどう国家試験につながるかを論じると、京都薬科では理解力が必要とされる京都薬科では、基本さえ押さえていれば国家試験の対策を特別していなくとも国家試験に受かるだけの実力を身に着けることが可能である。しかし、国家試験以上の学習を強要される。(薬学部の本質は国家試験に合格することではなく良質な薬剤師を生み出すことであるから当たり前ではあるが・・・。)
これに対して、大阪薬科や兵庫医療では、国家試験を超えるような学習は京都薬科ほど多くはない。基本から標準の内容が多い。これは国家試験を通るためには非常に無駄が少ない。(多少の教授の趣味は入ってくるが。)
薬剤国家試験が今後、難化する傾向は続くと思われるので、京都薬科の方針は評価できる。学生の頃は、楽な道があればそれに逃げてしまうのが大方であるので、ある程度の学力がある生徒であるならば、京都薬科でよいだろう。しかし学力が低い生徒も京都薬科には多くいるのも事実である。学力が低い方々は、学年が上がるにつれて、病む可能性がある。
最後に思い切った提言であるが、もし現在京都薬科の低学年で、どうしてもついていけないと判断したなら、早めに退学して、兵庫医療大学の薬学部に行くのがいいのかもしれない。そしてアイファに通塾すれば、京都薬科で要求されている不必要な=国試に出ないような訳の分からない定期試験に悩まされることもなく、国試に直結した内容を、2、3年で学習できると思われる。ただし、そのような人は、自力で兵庫医療で進級するだけでは、国試に合格できないだろうから、専門予備校の個別の進級指導は必須だろう。